iPhone5でダリルやったようなもん

サイコパス3 最終話まで見た感想です

時間が足りていません。
はなから8話で終わらせる気のない物語の構想を練ってしまった。それは罪ではない。
あのサイコパスを描いた塩谷という天才が描いた物語はSSシリーズという長い前日譚を経てついに世に放たれました。
途中人間の作画の怪しいところもありましたがプロローグ、都知事選編、宗教編とかなり完成度が高く7話時点での興奮度は初めて一期を知ってノンストップで見た時に勝るとも劣らないものがありました。


終わらないとは思う、だが何かしらのケリはつけてくれるだろうと思っていました。


全部投げっぱなしです。投げっぱなしなだけならまだいい。中途半端にまとめにかかった事で最終話での要素がゴチャつき過ぎている。倍速で物事が進んでいく。あっという間に真っ黒ケイイグナトフですよ。


投げっぱなしにするんだったらそれ相応にゆったり進めて欲しかったし切り詰めていくんだったらちゃんと収めて欲しかった。どっちもできてないからめちゃくちゃイライラする。


回収され切ってない要素達を自然にやるならあと6時間はしっかりと見ていきたいですが劇場版なんでサクサク進むんでしょうね。長くても2時間程度で終わらせるんでしょうね。なんならまた劇場版シリーズとかにして引き伸ばしますか?


そうでもしないと形にさせてくれなかった世界が憎いです。
世界観設定やキャラ達の哲学的要素などなど独特の魅力に溢れたこの作品を過小評価した世界が憎いです。

 


長くなりましたが個別キャラ、話、勢力などのピックアップ感想です。

 


ボブ好き太郎と梓沢
なろう系主人公のように見えましたがそれが出来るだけの器を持ったとんでもないキャラでした。
当たり前ですが全編通して一番魅力を感じました。
精神干渉という名の万能スキルで数々の謎を解いていきます。
一方の梓沢ですが全編通して一番の悪であるのに端々に人間味、というか面白さというか憎めない要素がちらつきます。
コングレスマンになるための動機も自らに恥をかかせたシンドウアツシへの復讐ととても俗物的です。


ケイとアラタのバディもの、という枠組みで来ると思ってましたが実情はケイと梓沢の果たし合いです。
免罪体質であり、人の精神を利用できるが真相の解明のために戦うアラタ
コメディータッチなところもあるが人間を歯車としてゲームを行うジャッジマスター、梓沢
この2人が狡噛と槙島のようにぶつかり合う物語、そのための伏線としてこのシリーズが使われたと思うとしっくりきます。
そういう意味でこの2人のキャラはとてもハマることができました。今までのキャラとは全然違う方向の魅力がありました。


Kミハイルイグナトフ
寡黙、だけど熱い、軍人気質の戦闘役と序盤の方で語りましたがほぼそれ以上の進展が見られませんでした。その熱さを使ってアラタとは違う1係2人の心を解きほぐし戦闘面でもかなりの活躍を見せましたがとにかく伸び代がなかった。
妻がいる、外人であるという要素も想像がつく利用されっぷりでしたしまあ死ぬか闇落ちかって感じでしたがOPの通りの闇落ちでした。
パス世界において闇落ち=死だったのでちゃんと敵側に落ちたというのは初めてのことでこれからが期待できますが落ちる過程で株価もバカみたいに落ちた(特に8話、事情があるとはいえあまりにも余裕がなさ過ぎる、別人かと思ったわ。)のでおもしろ半分に見ておきます。


現1係
入江
朱ちゃんの情報屋を使っているという設定から膨らんできたスラムのための漢。正直かなり好きになれますね。なんか悪ノリしちゃうけど根はいい奴って感じで話数が進むごとに愛せる人でした。


廿六木
本当にやさぐれ系って感じでしたがやさぐれるだけの背景はあったしむしろ今までの執行官達が犯罪係数の割に善人が多過ぎたのでこれくらいの人がいてもおかしくないでしょう。普通に同情します。彼を守るためにKが手を上げた事が悲劇を招きますがやはりアレは間違ってなかったと思いたい。ちょっとずつ信頼関係が進んでいくのがやっぱたまんなかったっす。


如月
怪しかった割に伸びて来なかった。廿六木がやさぐれ系を貫いたように超人だらけのパス1係の中で凡人だった、というだけでしょう。凡人がいるのが普通なんですよ。彼女色々やらかしてるように見えますが周りが凄すぎるだけなんです。
ただ本当に狐の一端になった事以外のキャラがない。


雛河
コイツがこんなに伸びてくるなんて誰が思ったよ。
最終話で唯一褒められるところがあるとしたらココでしょう。朱ちゃんの生き様に惹かれて覚醒した雛河くんはあまりにもかっこよかった。懸念点があるとしたら免罪体質について少し知ってしまったので消されないか、ということだけです。

 


霜月課長
SSシリーズがあってようやくただの憎まれ装置を脱却した課長。さすがにあんだけ好き勝手やる部下抱えたらそりゃ胃に穴も空きますわな。気になったのは朱ちゃんと互いにフェーズ2であることを確認したのか、という問題。なんかしてそうですけどね。
かなりいいキャラになりました。


朱ちゃん
立ち位置は雑賀先生みたいになりましたが彼女の生き様があってここに出てくるキャラ達の今がある、精神的にも物理的にも、といった感じです。


弥生さん
正直最後のは本当に予想外です。終わらなかったことのショックであんまり気になっていませんが書いててマジでヤベエなと思いました。
しおんさんの色相回復と聞いてしおんさんが死ぬのか、と思いましたがこれで色相は再び濁るでしょうしそういう意味でうまかったですね。
1期の中では正直微妙なキャラでしたがずっと生き残って死んでく、落ちてく人達を見送って出来上がったあの精神が好きでした。RIP.

 

 


フレちゃん部隊
正直ファンサービスですね。


フレちゃん
なんで霜月に喧嘩売ってるのかが全くわからないので普通に腹が立つ、ピースブレイカー殲滅以外の目的が視聴者に見えないので逆ハー気づき上げるだけの器量が伝わらない、普通に腹が立つ。OPに出番がない。


狡噛
出すとパスファインダーが死ぬのでかなり出番は控えめ。これでいいと思います。


ギノ
霜月との仲がいいので比較的出番多め、潜入ってそんな直接的な奴だったんすね…。


須郷
一番カッコよかったシーンは飛行機の中。さあどっちのことでしょうか。

 

 


ビフロスト


白金
やっぱりハルキがNo1!
最初はすごいねシズカクンって言ってるだけの爺さん、おばさんとの差がないと思ってましたがちゃんとそこは差別化されましたね。
腹芸に長けパスファインダー、梓沢を使いビフロストのパワーをコントロールする。シズカが倒すべきはこの人でしょう。


ヨスガノソラ
2ゲーム目勝ったの気付かなかったわ。
まあ宗教編の中盤あたりであぁ、この長編はコイツ倒すんだなってわかってしまったのでそこらへんからもうピエロでしたが公開された情報があまりにもインモラルすぎる。ビフロストビームがエグい。


シズカ
8話まで出番0といっても過言ではない。8話まで見ても何がしたいのかわからない。名前からしてビフロスト壊滅してくれると信じてますけどどうなんでしょうか。
あとKに助けるか?見殺しにするか?って偉そうに聞いてたところ当たり前だけど1人でも生き残れてますよ。Kを落としたいから聞いただけです。そうでもなきゃ無様すぎる。

 

 


都知事選編
カリナ=ホロジャン=コレの就任という絶対的ゴールまでの過程に様々な陰謀が絡み合い、また1係をはじめとしたたくさんのキャラの味が出て非常に楽しい長編でした。マカリナの要素がぽっと出でわかるかこんなもん!となる気持ちはわかりますがそもそもサイコパスはコナンや金田一ではなく探偵ガリレオなので視聴者がトリックを日常生きてて手に入る知識から推測するのは無理です。

 


カリナ=ホロジャン=コレ
やたらOPEDにでるなぁと思ったら立ち位置が大事なキャラだったんですね。ボブでボブ好き太郎といい感じになるから笑っちまいましたよ。
パスではクッソ珍しい可愛げのあるキャラでしたがちゃんと根っこに信念もあるいいキャラでした。

 


宗教編
命がけの危ない雰囲気と緊迫感がずっと続くかなり胃の痛い長編。コングレスマンとの直接対決ということもありかなりの人間、陰謀が動きます。

 


トーリ
一番救いようがないけどヨスガった末の子と聞くとちょっとかわいそう。K夫婦の再会シーンで死体がドザエモンされる可哀想な人。
マイコマイヤーストロガノフを人質に取るシーンは言うまでもなく槙島初戦のパロディだがあまりにも小物過ぎる。さっきまで梓沢と喧嘩してたのに手伝えは草でしょ。


テレーザ、クリス、アウマ、即身仏
全員善人だったし同じ方向も向いていたが1人はトーリの策謀にハマり思想が過激化、1人は仏に。
移民を悪としているシビュラ日本において移民もひどい目にあっているし思想が悪なわけではないということを示す重要な人達でした。誰も生きてないけどねもう。

 


残りキャラ


マイコマイヤーストロガノフ
銃を奪い去る手つきがプロ過ぎだけどそういや従軍経験者でしたね…。
妻である、2人の幼馴染である、目が見えない等の設定をうまく使われましたが彼女だけの何か、みたいなものは特に見えてきませんでした。かわいそうにこれからもKのピーチ姫でしょう。


オカマ
みんなにちょっとずつ悪い事させることでサイコパスの悪化を防ぐ手口、が梓沢のパクリな上にお粗末だし格闘は勝てないし階段選んじゃうし公安にボロは出すしコイツよくトーリより上に来れたな。


スガワラショウコオルタ
チェグソン2にしてはキャラが濃くて少ない出番で印象に残りました。まさかインスペだとは。てかインスペ多くねえか…。

 


1期の頃の哲学的な面白さ、槙島という絶対的カリスマとそれに立ち向かう個人的正義、狡噛、のような魅力とは別の切り口でキャラ達がいい味を出していました。


ただ畳み方、今後の展望、最終話についてはかなり厳しいものがありました。
駄作と笑えない分2よりキツイ。


ですがアラタと梓沢という2エースの決戦は気になるのでそれまで存命だったら見に行きます。てか明日にでも公開してくれ。